2020 年度(令和2年度) 評議員会議事録

日  時:2020年9月10日(木)13:25 ~ 14:00
会  場:オンライン Zoomウェビナー会議 
出  席:出席 60名,委任状 62名(評議員総数233名,定足数47名)
議  長:小泉修一 理事長
進  行:尾藤晴彦 副理事長
議  題:「Post Coronaの日本の神経化学」

議事に先立ち,尾藤晴彦副理事長より,問題提起として次の論点が紹介された。
昨年の評議員会においては「10年後の日本神経化学会を元気にするために、今、なにをすべきか?」を討議し、
1.本学会の最も際立つ存在意義として「分子と疾患」研究を通じて社会に広く貢献
2.人材育成(若手のトレーニング・道場・diversityの尊重・丁寧なディスカッション)
3.研究データ・患者リソース(tissue バンク)の共有によりsustainableな研究推進
をめざす学会であるべきというコンセンサスが得られた。今後「伝統の継承と改革」を引き続き進め、Post Coronaにおいても日本の神経化学がリーダーシップを持って、牽引していける世界をどのように一緒に作っていくのか、評議員よりの活発な討論が提案された。

本議題につき,以下の通りパネリストより意見や提案が挙がった。

・コロナ禍という非常事態で、思考停止に陥らないように、明確なメッセージを学会として打ち出していくことが必要。大会については、多様な対象に対して分割したイベント開催や、さらなる若手育成・道場の企画推進が望ましい。
・学会としての特長である「分子と疾患」「人材育成」を全面に押し出す。AMEDが最近「脳科学」をキーワードが外したが、特別な研究領域というステータスを失ったと捉えるか、すべての生命科学の一部に脳科学が展開しており発展的に解消している、と考えるか、意見が分かれるところ。
・神経化学会はいろんな試行錯誤が柔軟にできるサイズ。大会という箱にこだわらず、WEBセミナーなどによりどんどん発信し、異分野との交流も進めていけたらよいのではないか。大会の前後でもサロンなど情報交換の場所があるとよい。
・準備中にコロナ禍となり大変危惧したが、シンポジウムは対面式とは違った良さがあり、Web開催の特長を活かした大会としたい。チャレンジが大きかったが、結果にも結び付いた。
・すべての交流がオンラインとなっている。オンラインと対面式と今後共存した形で、学会員交流が進むと考えられる。

フリーディスカッションとして、議場参加者からも様々な意見があった。

・オンラインにより参加しやすくなった。テクノロジーを活用していくことにより新しいものが生まれる可能性がある。大会もハイブリッド化し、多様な需要に応えるべきではないか。
・実験を自身で行っている身としては、Web開催の研究会などへの参加がむしろしやすくなっている気がする。対面式と両方があると大変ありがたい。
・臨床と基礎の連携が重要。神経化学会には多くの臨床の若手も参加しているが、臨床の若手も忙しくオンライン配信を工夫すれば、支持されると思われる。
・若手育成セミナーでは今年は女性比率が従来にも増して高い。今回オンサイトの懇親会がないので盛り上がらないのではないかと危惧していたが、杞憂だった。飲み会中心でない運営の仕方があるかもしれない。もしかしたら女性参加者には、飲み会重視は負担だったかもしれない。オンサイトの良さとオンラインの良さのそれぞれを引き出すべき。
・名誉会員による「私と神経化学」、若手を中心とした「SNS発信」など、世代を超えたつながりを推進するような広報企画を進めている。今後は、分野を超えたつながりも推進していきたい。

尾藤晴彦副理事長より,これまでの意見ならびに提案に対し謝辞が述べられた。議事を通じて、大変積極的な意見を多数伺ったことを踏まえ、理事会として今後の対応を考えていく。ご意見あればいつでも目安箱などでお寄せいただきたい。
また,小泉理事長より、この危機をむしろチャンスとして捉え、今後の神経化学会の発展を推進していきたいとの結びの挨拶があった。

以上をもって,2020年度評議員会は閉会となった。