委員長だより(若手育成委員会)
2019年に小泉理事長(第1期)のもとで発足した若手育成委員会は、文字通り日本神経化学会において若手研究者の育成事業を手がける委員会です。今期の委員には、「神経化学の若手研究者育成セミナー」(通称:若手育成セミナー)出身者にもたくさん加わっていただきました。また、本委員会は大会長が推薦した若手育成セミナーの代表と副代表にも加入していただくことから、毎年2名の委員の入れ替えがあります。2023年度のメンバーは、照沼美穂(委員長)、藤原悠紀(副委員長)、安藤香奈絵、河田美穂、木村妙子、國石洋、久保健一郎、高野哲也、金本聡自(2023年セミナー代表)、吉村武(2023年セミナー副代表)、増田隆博(2024年セミナー代表)、坂井謙斗(2024年セミナー副代表)の12名です。
若手育成委員会の主な仕事は2つあります。1つ目は、大会期間中に行われる若手育成セミナーのサポートです。合宿形式で通常2日間行われる本セミナーは、2008年の富山大会時に第1回が開催されました。7月の福岡大会(Neuro2024)でのセミナーは、実に17回目となります。本学会を牽引する先生方と学生および若手研究者たちが研究だけに留まらず、様々な事柄について語り合う場でもある若手育成セミナーは、世代を超えた会員同士が気軽に交流できるという意味でも貴重な催しとなっています。また、近年では合同大会が増えており、他学会の会員が参加することも度々あることから、参加者にとっては分野を超えて研究者と知り合ったり刺激を受けたりと、非常に良い機会になっていると感じています。現在、セミナーは学会や大会からのサポートのみならず、本事業にご賛同いただいた方々からの寄付によって運営されております。改めて深く感謝申し上げるとともに、本セミナーが会員の皆様にとってさらに有意義なものに進化し続けるように、努力したいと考えております。これまでのセミナーに関する情報は、日本神経化学会HPの若手育成セミナー欄( https://www.neurochemistry.jp/youth-category/youth-seminar/ )に掲載されていますので、是非一度ご覧ください。
若手育成委員会の2つ目の仕事は、大会で行われる「若手道場」の運営です。若手道場は博士課程修了5年以内までの研究者が口頭発表する場で、2016年の仙台大会から始まりました。若手道場では、研究内容、発表能力、質疑応答、他の発表者に対しての質問の質などが複数名の先生方によって審査されており、特に優秀な発表者には優秀発表賞が贈られます。授賞式の様子は、日本神経化学会HPの若手道場欄( https://www.neurochemistry.jp/youth-category/youth-dojo/ )をご覧ください。審査基準は公表しておりますが、毎年少しずつ異なっています。発表者全員に対して、審査員から当日あるいは後日、発表に対するコメントが送られています。本学会のポリシーである「深い議論」を若いうちから行うことは、研究者に必要な能力や姿勢を身につけることにつながり、その後の研究者人生においてとても意味のあることだと考えます。嬉しいことに、近年、若手道場での発表希望者が増えています。このことから、若手道場の趣旨にご理解、ご賛同いただいているだけでなく、口頭発表に積極的な若者が増えてきているのではないかと考えております。委員会では、若手研究者にはどのような研究発表の場が必要とされているのかについて議論を重ねながら若手道場を運営しております。今後も発表経験者並びに審査員から随時フィードバックをいただきながら、より良い研究発表の場を提供していきたいです。
最後に、若手育成セミナー、若手道場は、若手育成事業にご賛同いただいた多くの会員の先生のご協力の元に成り立っております。改めてご協力に感謝申し上げると共に、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
若手育成委員会
照沼美穂