委員長だより(脳研究推進委員会)
脳研究推進委員会の委員長を拝命しております理化学研究所の林(高木)朗子です。 委員の先生方は、副委員長として池中健介先生、委員としては大塚稔久先生、金子奈穂子先生、七田崇先生、津田誠先生、橋本亮太先生という(五十音順)、大御所の先生から新進気鋭の若手ホープの先生まで参画頂いております。 また将来計画委員会(委員長:田中謙二先生)とは、とりわけ緊密な連携をとらせていただき、もろもろの決め事を進めてまいりました。本委員会の主となる業務は、岡野前理事長の御提案により発足した「フラッグシッププロジェクト(以下:FP)」です。 本学会の強みである、“グリア”、“iPS細胞”、“リバース・トランスレーショナル・リサーチ”を前面に出したエッジの効いたプロジェクトを掲げようというものです。 その狙いは、研究の加速です。昨今の脳科学は飛躍的な進歩を遂げ、様々な脳の機能についての膨大な知見が集積され、多くの精神神経疾患についての理解が進み、少なくとも一部については治療が視野に入ってきました。 一方で、脳機能の全容解明には長く困難な道のりが続いており、疾患の克服のためには、本学会が誇る幅広い学問分野の力を有機的・学際的・戦略的に結集する必要があります。 創造的イノベーションは異分野のセレンディピティ的な融合により生み出されることが多いため、FPを素地として英知を結集する場を形成することで、研究融合のケミストリーを加速しようというものです。 これまでもシンポジウムを開催してきましたが、2024年度はNEURO2024(日本神経化学会、日本神経科学学会、日本生物学的精神医学会、アジアオセアニア神経科学連合コングレスの合同開催)に、理事会企画シンポジウムとして開催します。 シンポジウムタイトルは、「日本神経化学会フラッグシッププロジェクトより切り込むグリア疾患研究の最前線」、演者は小泉修一理事長にはじまり、伊藤美菜子先生、服部祐季先生、長井淳先生という若手の眩い先生方に御登壇いただきます。 2024年7月24日(水)14:50-16:50という良いスロットを頂けましたので、御参集いただき、熱い議論を展開して頂ければ幸いです。
2025年度以降の活動ですが、若手KYOUEN(将来計画委員会)の企画にも時々参加することになっており、普段の学会とは異なるものを作りたいと思っています。 最近の学会や班会議は、正直、どれも似たり寄ったりという印象を持ちます。 若手KYOUENでは、バカバカしくも楽しく、しかしサイエンスの議論は熱くという理念のもと、少々振り切った企画を考えております。 そのような折で、皆さまとお目にかかれる日を楽しみにしております。
脳研究推進委員会
委員長 林(高木)朗子