理事長だより NEURO2024を終えて
7月24日~27日の4日間に渡り、第67回日本神経化学会大会がNEURO2024として福岡で開催されました。参加者、演題数ともに過去最大の合同大会となり、盛会のうちに閉会いたしました。口演会場、ポスター会場は、いずれも多くの人であふれ、大変活気のある大会であったと思います。ご参加頂き、活発に発表・議論して頂いた会員の皆様、本当にありがとうございました。
今回のNEURO2024は、日本神経化学会、日本神経科学学会、日本生物学的精神医学会の3学会による初めての合同大会でした。大会テーマは、Deciphering the mind:Transcending borders for the futrue(心を読み解く:分野の境界を越えて未来へ)。様々な境界、垣根を越えて、未来の脳科学を切り開こう、というものでした。合同大会ですのでスケールメリットはもちろんですが、初顔合わせの3学会合同大会でしたので、発表内容・参加者の多様性をも大いに楽しめる大会になったと思います。プログラムは「合同で」を意識しましたので、日本神経化学会独自の取組である道場や若手育成セミナー等も、少し異なるバージョンで行われました。いつもとは違う演題を聞き、またいつもとは異なる人達と交わることで、少しでも多くの方が、分野の境界、様々な垣根を超えて頂けたのでしたら、大変幸せに思います。これらは合同大会ならではの良いところであったと思います。
一方、理事会及び評議員会で議論になりましたが、単独大会だからこそ発揮できる日本神経化学会の良さもあります。本学が創立期から掲げる「分子と病態」を明らかにするために、本学会の大会ではいつも「議論を尽くす」「若手を本気で育成する」を大切にしてきました。これは単独大会の時にこそ実現し易いものであると思います。福岡宣言にも盛り込みましたが、本学会は分野融合の高い視座を持ち合同大会の有用性を認識しながらも、温故知新の精神を維持していきたいと思います。従って単独大会についても、これからもその重要性を議論・認識し、きちんと開催していきたいと考えています。
最後に、今回、大会長3名の相性が非常に良く、常に協力的、創造的、平和的に準備・運営を行うことが出来ました。岡部繁男先生、山末英典先生には心から感謝の意を表したいと思います。またプログラム委員長の田中謙二先生、実行委員長の津田誠先生はじめ、各種イベントの準備、実行で日本神経化学会の多くの先生方に創造的、献身的なご協力を頂きました。
皆さん、本当に有り難うございました。心から感謝申し上げます。
2024年8月5日
理事長、第67回日本神経化学会大会長
小泉修一